芥川は、「ぼんやりとした不安」で死んだというけれど。

中学生の頃に、僕はその話を聞きました。日本では知らない人はいない文学作家、芥川龍之介。彼は自害し、この世を去っています。その自殺動機がどういうものかをご存じでしょうか。その理由というのは、簡単に説明すると、一言で済んでしまいます。
それは、将来に対する「ぼんやりとした不安」なのです。
ぼんやりとした不安。そんな一見ばかばかしいような理由で、人は死ぬというのでしょか。僕は、その話を聞いた当時、笑いました。不安だけで、しかも、明確な何かの対象に対する不安では無く、ぼんやりとした不安なんていうもので、人が死ぬわけは無いと。そのとき、まだ未来が明るかった僕にしてみれば、不安で人が死ぬと言うことが、「ばかばかしいこと」のように思えてならなかったのです。
でも、それは違いました。
就職活動を迎えた今。僕はぼんやりとした不安にさいなまれています。果たして僕は社会に求められているのだろうか、就職できるのだろうか、仕事ができるのだろうか、ただ、ぼんやりとした不安が、僕の胸を巣くって離れてはくれません。
これは、確かに、怖いな、と思いました。さすがに命を絶とうという決意をすることまでは至りませんが、でも、それで人が死ぬと言うことが理解できてしまったのです。
ぼんやりとした不安。これ以上に怖いものはないということが、分かってしまったのです。できれば、知りたくは無い感覚でした。
きっと、それを知らないまま人生を終えていた方が、僕は幸せだったのだろう、と思います。
けれど、僕はまた、思うのです。それがあるからこそ、僕は前へ進めているのだと。
それが無ければ、僕はきっと、ただ平凡に暮らしていこうとするだけで、成長をすることはできなかったのだろう、と。
そのぼんやりとした不安は、人の足を縛り付けます。でも、同時に、人の背中を押すものでもあるのかも、しれません。
ぼんやりとした不安。それが本当はどういうものなのか、僕はもう少し、それを向き合っていきたいと、思いました。キレイモ 店舗